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2018年/アメリカ
[監督] アニーシュ・チャガンティ
[出演] ジョン・チョウ
デブラ・メッシング
ジョセフ・リー
ミシェル・ラー
女子高生の娘が行方不明になり父親が捜します。
子供のすべては知りえない
90点
公開時は作品の存在自体全く知らず、完全にスルーしていた本作。
その後やたら評判がいいのを知り見たいと思っておりました。
そしてdTVに登場。
レンタル料金が500円だったのでいい歳してかなりためらいましたが、好奇心に負けレンタル。
500円でも見てよかったと思える評判通りの良作でございました、よかった!!
目次
共感ポイント
感情移入しやすい作り
全編がPCのモニター画面で進行するというなんとも新しい作りの本作。
そこが話題になってたようだけど、正直私はその部分には全く興味がなくて。
むしろ話がわかりにくかったら嫌だなあとか、見にくかったら嫌だなあなんて思ってました。
けど実際見てみたら、なんの違和感もなく非常に見やすかったです。
映画冒頭で娘の成長や家族の仲睦まじい様子、母親が病気になり家族での闘病、そして母親が亡くなるまでをPC画面のみで描き切り、ほっこりしたりしんみりしたりでもう泣いてしまってですね。
ものの数分でこの家族の歩みが理解できて尚且つちょっと感情移入しちゃう作り、うまいなあと思いました。
全編にわたり設定をうまく活かしていて、セリフや表情以外からも妻を亡くした父親(ジョン・チョウ)の悲しみの深さやそれを乗り越えていない様子、それゆえに妻の事を話題にするのを逡巡している現状がよく伝わってきて。
娘マーゴット(ミシェル・ラー)も母親を亡くした悲しみの中、その悲しみを共有している父親が母の思い出を封印しており、母の事や本音を話してくれないことで孤独を感じていることが徐々にわかる仕組みになってます。
作品の作りが斬新かつ丁寧でわかりやすくて本当うまかった!!
親の不安
親である私が365日不安に思っていること。
それは子供を失うということです。
朝元気に出かけた子供が行方不明になって帰ってこないなんてなったら・・もう悪夢です。
想像するだけで胸がザワザワして苦しくなってきます。
一度我が家の長女バンビ(仮名・10歳)が、友達と遊びに出掛けた際に所在不明になったことがあります。
約束の帰宅時間を30分過ぎても帰ってこなくて、どこにいるのかがわからなかった・・という程度のことなんですが。
これだけでも心配性&過保護の私は心臓バクバク、膝ガクガク、吐き気がして具合まで悪くなったというね。
何事もなくただただ元気に帰ってきてくれ・・と祈りましたよ、マジで。
普段心のどこかで、自分の子供はニュースで見るような事件にはまさか巻き込まれないだろう、なんて根拠が全くないことを思っちゃってる自分がいたりするんですよ。
娘の居場所がわからなくなって、どんな悪夢も誰にだって起こりうるんだよな・・って思って発狂しそうになりました。
結局娘は「遠くの駄菓子屋に行ってた、ごめん~」とケロッとして帰ってきたんですけどね。
親の心子知らずだよ、ほんとに。
で、本作では娘のマーゴットと連絡がとれなくなり、居場所もわからなくなって追い詰められていく父親の心情がわかりすぎるくらいわかって辛かったです。
多分娘は友達といるんだろうけどなんかもやもやするな~っていう程度の小さな不安から始まり、これあかんやつかも・・と警察へ通報する非常事態になっていく様がリアルで。
見てるこっちも「わかる~、わかるわ~。」と胸がざわざわ。
娘はどこにいるのか、娘の消えた真相はなんなのか、先が気になってひきこまれました。
子供をあきらめない
通報後、すぐに担当の刑事と一緒に捜査に参加する父親。
その過程で今まで知らなかった娘の姿や事実を知ることとなり愕然とします。
さらに担当刑事から、「娘さん、マネーロンダリングして逃亡したのよ。」と証拠も見せられます。
女子高生がマネーロンダリングて・・すげえな、おい。
けど「娘はそんなことする子じゃねえ!!」と娘を信じ、娘の賢さと生命力、そして無事をとことん信じぬきます。
いつも絶対に子供の味方でいる、信じぬく、あきらめない。
親としての信条だと思っています。
それを貫き通す姿を見せてくれたお父さん、素晴らしい!
まとめ
子を思う親の気持ちに痛いほど共感しながら、ストーリーも二転三転しながらぐいぐい進んでいくので最後まで飽きることなく楽しめました。
何気ない会話やワンシーンが伏線だったんだな~と後から「そうか、そうか」と納得させられたりで、本当によくできてる作品だと思いました。
そして結末。
この事件の犯人も人の親で、子を思う親心からやらかしてしまったというのがなんともね・・。
絶対にしてはいけないことだけど、子供を守りたかった気持ちはすごくわかる。
同じ親心でも子を助けるものと子をダメにするもの。
正しいやり方で子供を守れればよかったな・・と少し辛かったです。
結末は「まあ映画だからね」と正直思わなくはなかったですが、見て損はない作品です。
ネタバレを知らずに見たほうが断然楽しめるので、見てない方はまっさらな状態でラストの感動まで突っ走ってほしいです。
ぜひ一度ごらんくださいませ。
それでは、また。