映画「ボヘミアン・ラプソディ」 感想




ボヘミアン・ラプソディ
Bohemian Rhapsody

2018年/アメリカ
[監督] ブライアン・シンガー
[出演] ラミ・マレック
    ルーシー・ボーイントン
    グウィリム・リー
    ベン・ハーディ
    ジョセフ・マッゼロ

あらすじ
世界的人気バンド「クイーン」のボーカル、フレディ・マーキュリーの半生が名曲と共に描かれます。

何も心に刺さらなかった・・
65点

 

 

 

辛辣なレビュー内容になってますので、この作品が好きな方は読むと不快になるかもしれません。

特にクイーンのファンでもなく、何曲か歌を知っている程度の私。
正直言うと、この作品には全く興味がなかったんだよね・・。
けどなんだかすごく人気だし、まだ観てないとかこの非国民!みたいな雰囲気だったので今頃になって観に行ってきました。
絶賛してる人が多く、感化されやすい私のことだからなんだかんだで感動してサントラ買っちゃったりするんかな~とか思ってたんだけど。
うん・・ごめん、全然感動しなかったのよ・・。

 

目次

のれなかった理由

ストーリーが浅い

なんだろう・・ストーリーが浅いというか薄っぺらかった。
あまりにも淡々と進んでいくから物足りなくて。

・クイーン結成してあっさりスターダムにのぼりつめ、あれ?実際もこんなに楽勝だったの?とちょっとぽかーん。
売れるまでにもっと苦労とかなかったんかねー。
時間の関係で省略されちゃったのかな?
にしても省略し過ぎだと思うんだよね!!

・メンバーは家族だ!と言う割にはメンバーとの深い絆を感じさせるエピソードもこれといってなかったような。
もっとメンバーがお互いを思いあうシーンとかほしかったなー。

・父親との葛藤もあったみたいだけど、普通に親が小言言ってるだけのようなライトな描かれ方でそんな深刻だったの?って感じで。
和解もあっさり仲直りしたくらいにしか見えなくて、何の感動もなかった。

・セクシャリティの問題を自覚してから深い孤独を抱えていくけど、それもいまいち描かれ方が浅く感じて。
そもそもそんな孤独を感じる状況には見えなかったんだよな・・。

・元妻メアリーとの関係も、フレディが彼女に執着してるように感じられたけどなんでなんだろう?
メアリーが性別を超えた理解者だったからとかなのかな。

もうすべてが中途半端で全く入り込めなかった。

 

人物描写も薄い

私はクイーンファンではないしクイーンそのものもたいしてよく知らず、正直メンバーが誰なのかも知らないレベル。
だから当然メンバーひとりひとりがどんな人物だったのかなんて知るわけもない。
そんな状態で映画を観ていたわけだけど、メンバーのキャラを掘り下げて描くでもなく、この歌はこうやってできたんだよーってエピソードを見せられるだけなので誰にも共感したり感情移入ができず。
ラスト近くで突然出てきたジム・ハットンさんも、彼の人柄が深く描かれないままフレディのパートナーになっちゃって消化不良感がすごかった。
最初フレディにお尻触られてゴルァ!!ってなってたのに、その直後急に親密になって「は?」って私ポカーンでしたよ。
ジムさんを描く尺が足りなかったんかね。
にしてももう描写が薄っぺらいの一言。
色々知ってるファンの方なら問題ないのかしらね・・。

 

お涙頂戴に冷めた

フレディがエイズに感染、それをライブエイド前にメンバーに告白。
フレディの病気を機に、クイーンとして再びみんな一つになってライブ燃え尽きるぜ~!!みたいな。
なんだろう、このありきたりというか安っぽい展開は。
しかも事実はそうじゃないんでしょう?
フレディの病気を事実と反して感動的展開に仕立て上げて使ったっていうね・・。
本当安っぽすぎて涙は一滴も出ませんでした。

 

映画なら・・

映画にするのならストーリーをきちんと見せるべきだと思うんですよね。
クイーンの歌がいいのは当たり前。
歌だけではなく、濃いストーリーで感動したいんです。
ストーリは薄っぺらいけど歌は最高!!って・・それならドキュメンタリーにするか、YouTubeでクイーンの動画見たほうがまし。
こんなストーリーも人物描写も浅い映画、クイーンじゃなくて無名のバンドを描いたものだとしてもヒットしたんだろうか。
歌以外がすごく雑。
「感動した」という評価をよく見かけるけど、ごめん、どこで感動したのか教えてほしいと思っちゃうの。
嫌味でもなんでもなくて、本当に感動するところがわからなかったのね。
あまりにも高評価だから、感動しない私は感覚がおかしいんだろうかと考えちゃったほど。
私がファンじゃないからつまらないのか?とも思ったが、作品そのものが映画としてつまらなかったんだと思うんだよね。

 

事実と違うのは・・

一部のファンからは「史実と違う!!」と文句も出ているようですが。
まあ確かにね、私みたいにクイーンのことを何も知らない人は映画で描かれていることが全て真実だと思っちゃう可能性もありますよね。
けどうーん、私はこれはドキュメンタリーではなくエンターテイメントとして作られた映画だと思うので、多少の脚色は仕方ないんじゃないかと思ってました。
クイーンファンの人もクイーンを知らない世代の人も、たくさんの人が楽しめる作品になることで新たにクイーンのファンになったり興味をもつきっかけになるのもいいんじゃないかなあ・・なんて。
“鑑賞前は”ですけどね。
鑑賞後はお涙頂戴のために事実を捻じ曲げたことがどうにも気持ち悪くて。
そして散々史実を捻じ曲げたのに、あんな中身スカスカのストーリーってね(笑)。
本当ドキュメンタリーにしたほうがよかったんじゃなかろうか。

 

2つ良かった点

散々こき下ろしましたけど、そんな中でも2つだけほっこりしたところがあるんですよ。

①フレディの愛猫が可愛かった
 あ、そんなこと・・って思ったでしょ(笑)。
 けどね、ストーリがグダグダで鑑賞がつらい時に猫ちゃんたちの愛らしさに救われたんですよ~。
 ちゃんと演技してるように見えて、本当お利口でかわいらしい猫ちゃんたちでした。
 救いをくれてありがとう(笑)。

②ジョセフ・マッゼロ
 ジョン・ディーコンを演じたジョセフ・マッゼロに驚いた。
 ちょいちょい映画やTVシリーズに出演している彼ですが、私が彼を見たのは「ジュラシック・パーク」以来なんですよ。
 いや、「マイ・フレンド・フォーエバー」以来かな。
 私の中ではずっとティム少年として記憶が止まったままだったので、おじさんになっててびっくりしちゃって。
 しかも映画観てるときは気付かず、エンドクレジットで気付いたという・・。
 おじさんつっても私より年下ですけどね!!

 

以上、こき下ろしちゃってごめんなさいね!!
それでは、また。